*おきらく英彦山に登る*

 ◆紅葉に染まる修験の山◆

(登山日:’05年11月 5日)
 

      出羽の羽黒山、大和の大峰山と並び、日本三大修験の山として知られる英彦山(ひこさん)。明治に修験道は
      禁じられましたが、今でも厳かな雰囲気が漂っています。10月中旬〜11月上旬には、この修験の山を紅葉が
      それは見事な錦色に染めるとか。それならと、11月5日、ザックを担いで出かけてみました。
 
 【今回のコース】
  英彦山山頂へと続く九州自然歩道は銅の鳥居(かね
  のとりい)から始まっていますが、体力的に不安なので
  今回は別所駐車場をスタートにします。
 
  駐車場から奉幣殿へ、中宮、行者堂と表参道を通って
  中岳を目指します。
 
  帰りは北岳を回り、高住神社方面に下山。スキー場の
  横を通って駐車場に戻ります。
 

 
奉幣殿から少し登った所にある案内板。
 
【スタート】
  九州道杷木ICから小石原を経由し国道500号線に。ゆるゆると
  曲がりくねった道を英彦山方面へ走ります。早朝家を出、高速道
  も使ったので、am8:30には別所駐車場に着いたのですが・・・
 

 とみし 「もうこんなに車止まってる。(呆)」
 かねし「恐るべし、英彦山人気。。。」
 
  さすがにベストシーズンとあって、駐車場はほぼ満車状態。グル
  グル回ってなんとか空きをGetしました。車を止め、準備を整えて
  からam8:50、中岳に向って出発。舗装路を奉幣殿へと歩きます。
 
 【参道】
   およそ10分で奉幣殿入口に到着。ここから本殿までは長い石
   段が続きます。「いってらっしゃい。」 土産物店の女将さんに見
   送られ、参道を歩き始めました。

 
  かねし「この石畳、趣きあるよね。紅葉もきれい♪
        でも石段って歩幅が制限されるから、ちょっ
        と苦手なんだよなぁ。」
  とみし 「実は今回の表参道ルート、ほとんど石段っ
        て知ってた?」
  かねし「え・・・?」
 
   先行きが少し心配になるかねし。。。
 
【奉幣殿】
  石段を登りきり、am9:10、奉幣殿に。
 
 かねし「あれ?本殿工事中?」
 
  
以前訪れたときあったと思われる場所は、足場と白いビニールで
  覆われていました。仕方なく登山の安全は心の中で祈り、先の自
  然歩道へと進みます。

 
    
※右画像は前回(’02年2月)訪れたときに撮影したものです。
 
 【奉幣殿〜一ノ岳展望所】
   奉幣殿から登るとすぐ、自然歩道は二手に分かれます。右に行
   くと鬼杉がある南岳ルート。表参道コースを行くわたし達は左へ
   進みます。

 
  かねし「この石段、宝満山を彷彿とさせるなぁ。」
  とみし 「うむ、同じ修験の山だからな。」
   
   奉幣殿を過ぎ、なおも続く石段登り。木々の間から色づいた山が
   下方に見えました。(左画像) 歩き始めて間もなくでこんな風景
   に出会えるなんて・・・ いかに最初の登りがきついか、だよなぁ。
   途中、油木ダムを望む一ノ岳展望所で一休み。やれやれ。
 
【一ノ岳展望所〜中宮】
  一ノ岳展望所を過ぎると、道が幾分なだらかになりました。
 
 とみし 「長い石段歩きの後だけに、この土道はあり
       がたい。」
 かねし「ホーント♪ 紅葉もきれいだね〜。 だけどこの
       道、随分よく踏み込まれているよね。表面が
       ガチガチだ。」
 とみし 「そりゃそうさ。ずーっと昔から、山伏やら参拝
       者やら、たくさんの人がこの道を通って来た
       んだろうからな。」
 
  荘厳な空気漂う杉木立。昔日にちょっと想いを馳せてみたり・・・
 
 【中宮】
   緩やかに登って行くと、並んで立つ巨大な杉の木がありました。
   (
am9:55着)
 
  とみし 「奥にあるあの祠が中宮か。」
  かねし「この2本の杉の木、すごい重厚感。まるで
        神社の前に立つ鳥居みたい。」
 
   中宮の前を通り、杉の巨木帯へ。ほとんど葉のない古木がそそ
   り立つ荒涼とした風景。その中にどことなく神々しさが感じられ、
   はっとしました。英彦山はやっぱり神さまの山だ。
 
【中岳山頂】
      水場(井戸)のある行者堂から再び石段登りに。幅の広い緩やかな階段を登りきって、am10:45、ついに英彦山
      中岳に登頂。
 
 とみし 「うおー、見晴らしいいー!」
 かねし「山の向こうに山が見える。なんか、すごい所に来ちゃったね。」
 
      中岳には上宮と頂を示す標柱があります。また付近は小さな広場になっていて、避難小屋とテーブルベンチがあり、
      食事休憩を取るにはちょうど良いです。
 
 とみし 「そういや売店があるって聞いてたが・・・ 今日は休みか?」
 
      おそらく避難小屋の近くにある小さな小屋(?)がそうだと思うのですが、この日は閉まっていました。おでんや
      ビールが売られているらしい。
 

                 【上宮】
     参拝しようと思ったら、お堂の前が板で塞がれてい
     ました。こちらもお休み???
                 【山頂】
    標高1200mの頂を示す立派な標柱。絶好の記念
    撮影スポットです。
【中岳から北岳へ】
  お昼を食べて、am11:25下山開始。英彦山登山は3つの頂・
  中岳、南岳、北岳を巡るのが一般らしいのですが、時間の都合で
  今回南岳はパス。北岳に回って豊前坊方面に下ります。
 
 かねし「わわっ。早速岩場の急勾配だ。」
 
  ヘッピー(へっぴり腰)かねし、ちょっと苦戦。こちらのルートから登
  る登山者も多いので、慎重に離合します。岩の急斜を下りきると、
  北岳へはなだらかな登りになりました。振り返ると見覚えのある
  青い屋根が彼方に・・・(右画像)
 
 かねし「あれが上宮だね?」
 とみし 「ってことは、左の頂が南岳か。」
 
 【北岳山頂】
   pm12:00、北岳山頂に到着。
 
  とみし 「標高1192m・・・ 中岳よりちょっと低いん
        だな。」
  かねし「うん。頂を示す標柱も中岳に比べるとちょっ
        と地味だね。」
 
   祀ってある祠も中岳に比べるとちょっと小さめ。なんとなく控えめ
   な山頂ですが、眺めは良いです。5分程展望を楽しんで、再び下
   山開始。
 
【北峠から豊前坊へ下る】
  ササの茂る道を豊前坊方面に。突然、色鮮やかに染まる木々に
  目を奪われました。さらに、その向こうには一面に紅葉した山々が。
 
 とみし 「これはすごいな。」
 かねし「赤、黄、褐色・・・ これが錦の色なんだね。
       なんてきれいで、なんて壮大なんだろう。」
 
  しばし口を開けて見惚れる2人。と、足元がなんだか騒々しい。
  ザワザワとしたざわめきに混じって、拡声器を使った声まで聞こえ
  てきます。なんだ、なんだ、なんだ???
  なんとそれは、総勢100名の大登山団。言葉の響きから察するに
  関西方面からのツアー客か?いやはや、すご過ぎです。(汗)
 
 【階段】
   大団体を避けながら、鎖場をそろそろと下ります。なんとか100
   人やり過ごすと、木の階段に出ました。
 
  とみし 「特に滑りやすい所は、こうして木道を設け
        てるんだろうな。」
  かねし「ありがたいー・・・」
 
   しかし、この階段を過ぎるとかねしの苦手なガレ場に。石に足を
   取られ、ヘッピーかねし大苦戦。でも途中で出会った登山者に
   歩き方のコツを教わり、なんとか無事通過できました。(その節
   はありがとうございました。)
   しかしガレ場の次は自然石の階段となり、ヘッピーかねしの試
   練は続いたのでした。。。
 
【奇岩】
  石段を下ると、道は幾分なだらかに。やっと周りを見る余裕が出て
  きました。と、目の前に不思議な形をした巨大な岩が。
 
 とみし 「逆鉾岩、屏風岩か・・・ 確かに、形といい大
       きさといい、迫力あるな。」

 かねし「うん。また、その回りにある真っ直ぐな杉の木
       と色を添える広葉樹が、いい雰囲気かもし出
       してるよねぇ。まるで日本庭園みたいだ。」
 
             今回のPhotoで、かねし1番のお気に入り。
 
 【高住神社】
   奇岩群を抜けて、pm1:15、高住神社に到着。
 
  とみし 「やれやれ。ようやく下りてきたな。」
  かねし「わし、ちょっと膝がくがく・・・」←ガレ場が堪えた
 
   しかし、先はまだ長い。とりあえず本殿に参拝(左画像)、無事
   下山できたことを感謝します。10分程休憩した後、別所駐車場
   目指して再び歩き始めました。
 
  かねし「この神社も紅葉がきれいだなぁ。今度英彦
        山に紅葉狩りに来るときは、ここまで来よう
        っと♪」
          次のお出かけに備えリサーチに抜かりのないかねし。
 
【石畳を歩く】
  紅葉で真っ赤に染まった高住神社駐車場横を通り、国道から自
  然歩道に入ります。。
 
 かねし「うわー!この石畳素敵♪」
 とみし 修験者の石畳か・・・ 歴史を感じるのぉ。」
 
  いかにも古道といった雰囲気の石畳は、やがて幅の広い砂利道
  に変わります。
 
 とみし お?かねし、歩くの速くない?」
 かねし「うん。平坦路は得意だも〜ん♪」
 
 【スキー場を通って別所Pへ】
   きれいに整備された遊歩道をさくさく進むと、突然視界が開け、
   ススキ野原が現れました。スキー場です。
 
  かねし「波打つススキの穂がきれいだね〜。」
  とみし 「紅葉とのコントラストもいいな。」
  かねし「ところでこのスキー場って、草スキー?雪ス
        キー?」
  とみし 「え?・・・さぁ?英彦山は雪が多いから雪ス
        キーもできそうだけど・・・ って、そもそも
        ここ、営業してるのか???」
 
   謎の英彦山スキー場。。。
 
  
      スキー場を過ぎ、2度国道を横切って、pm2:15、スタート地点の別所駐車場にたどり着きました。

 

 

    英彦山の紅葉は噂通り、いえ、それ以上でした。多くの登山者がこの時期を狙って訪れる
    理由が、今回登ってみてよくわかりました。でも、本当に紅葉を楽しむのなら南岳ルートが
    お勧めだとか・・・ 南岳ルートは厳しいコースと聞いています。もっと鍛えてから挑戦しよう。
 

 
登山途中で出会った紅葉の絨毯。(とみしこん身の1ショット。)

 

 

<立ち寄りスポット>・・・今回、とみし&かねしが立ち寄ったのはこちら
【国民宿舎 しゃくなげ荘】
  英彦山中腹にある国民宿舎。良質のラドン泉を気軽
 に楽しめるとあって、いつも多くの入浴客で賑わいます。
 今回久しぶりに訪れましたが、人気は相変わらず。でも
 前よりもぬるり感が少なく、塩素臭も少し強くなったよう
 な・・・ これも温泉法改正のせいなのかな? ちょっと残
 念。でも湯上り後のポカポカ感は健在でした♪
  【お風呂データ】
   ・入浴料:大人500円
   ・風呂施設:内湯、露天男女各1。
   ・その他施設:休憩所、食事処、売店等。
   ・その他:この時期、露天風呂から見る紅葉は最高♪

 
               画像は前回訪れたとき撮影したものです。
 
<おさらい>

今回お出かけしたルートはこちら。※毎度のかねしお手製Mapです。お出かけの際はちゃんとした地図でご確認を。

 
     ・ 山歩きに便利な別所駐車場。紅葉シーズンはとにかく混むので、マイカー利用の場合は
      早めの現地入りをお薦めします。

 
     ・「国民宿舎 しゃくなげ荘」は国道500号線からの入口に看板有り。いつも浴室は混みます
      が、この時期は特に混雑します。女湯では激しい洗い場争奪戦も。。。(汗)
   
<おまけ>
   実はこの日、新デジカメ・ミュー(OLYMPUS/μ)がデビュー。いつも以上にコースタイムがかかっ
   ているのはこの辺の事情だったりします。新しいデジカメを手にしたとみしは、機能を1つ1つ確認
   するかのように、あちこち立ち止まってはシャッターを切りまくり。。。 「スタート」から順を追って画像
   を見ると、徐々にカメラ小僧・とみしの腕が上がっているのがおわかりいただけると思います。(笑)
   

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