*裏おきらく湯廻り*
◆知られざるもう1つの湯廻り・・・◆

  K留米市 T後川側に某温泉施設がある。 家から近いのと、300円という手頃な入浴料金から
 とみしは週末毎に通っているが、その『川沿いの宮殿』(直訳)という名の温泉施設は、なんとも
 摩訶不思議な空間である。
 
  まず、施設に入ると靴をぬぐ。 木枠でできただけのシンプルな靴箱に鍵はない。毛足の擦り切
 れたじゅうたんをぺたぺたと歩いて行くと発券機がある。ここで入浴券を買うわけだが、1000円
 札は使えない。小銭がない場合は発券機近くに座る番頭さんに両替してもらう。「人がいるなら、
 別に機械で払う必要ないのでは?」などと思ってはいけない。ここはそういうシステムなのである。
 
  入浴券を番頭さんに渡して浴室に入る。脱衣所には100円ロッカーがある。 投入した100円
 玉は使用後返ってこないが、とみしが言うには、ここは素直に利用した方がよいそうだ。(盗難注
 意の張り紙がある。)
 
  服を脱いでロッカーに鍵をかけたら、鍵を腕にかけ浴室に入る。 入ってまず目に付くのは謎の
 裸婦像。浴室内はいかにも日本の銭湯なのだが、どういうわけかロマネスク調の石像がある。
 この裸婦像、ちょうど人の大きさなのでちょっとドキっ!とする。。。
 


何度も利用しているとみしですら、一瞬女湯に入ったかと錯覚するらしい・・・

 
  謎はなにも石像だけではない。この温泉施設は数々の謎に満ちている。
 
  浴槽は全部で5つある。岩風呂、タイル大風呂、タイル小風呂、水風呂、浅風呂。この内、自慢
 の”天然温泉”が楽しめるのは岩風呂だけである。タイル大風呂はアルカリイオン水が使われて
 いるらしい。残りの小風呂と浅風呂はよくわからない。特に浅風呂は、浴槽がやけに浅いことから
 かねしが勝手にそう呼んでいるだけで、使い道は全くもって不明だ。その真上に開けられた2つの
 穴が、さらに謎を深める。
 

 
  さて、唯一岩風呂に張られた温泉は『ナトリウム・マグネシウム・カルシウム・炭酸水素塩温泉』。
 ちょっと聞いたことがない泉質だが、茶色く濁ったお湯、やや鉄っぽい匂い・・・ なるほど温泉で
 ある。 「地下1000mも掘ったものを、果たして”天然”と称してよいのか?」 というツッコミも、
 この際ナシナシ・・・ しかし、浴室隅にあるこの立て札が意味するものは・・・?
 

『日により泉質が変わります。
本日の泉質は○○と××です。浮遊物は成分で汚れではありません。

なお、効能の説明書きに変わりはありません。』
 

  ・・・え?
 
  他に設備としては、洗い場とサウナがある。洗い場は、たまに水しか出ない日があるが(おぃ!)
 表の番頭さんに言えば何とかしてくれるらしい。でも裸ンぼになっちゃったら、どうやって言いに
 行くのだろう?(爆)
 
  浴場入口には休憩用に白いイス&テーブルがある。座ってくつろいでいると、なんだか懐かしい
 音が聞こえてくる。その正体は、隣接するゲームコーナーに置かれた旧式のUFOキャッチャー。
 最近見なくなって久しいこの機種が、現役で活躍していたとはちょっと驚きだ。中にはいつからそ
 こにあるのかわからない、色あせた景品が入っている。鏡張りの天井も、なんとなくレトロ・・・
 

 
  謎の裸婦像、疑問符のつく泉質、使途不明な5つの浴槽、化石と化したゲーム機。。。
 『川沿いの宮殿』(直訳)は、実に摩訶不思議な空間である。そしてその空間に魅入られて、おき
 らく夫婦は今日も行く・・・ (最近とみしだけでなく、かねしも通うようになったらしい。。。/爆)

 
(2003年9月)