*おきらく平尾台を行く*

 ◆草原に羊の群れ◆

(登山日:’05年10月29日)
 

      国内有数のカルスト台地として知られる平尾台は、「ススキの穂が光る9月下旬〜11月上旬がベストシーズン」
      だそうです。(山と渓谷社『福岡県の山』より) 確かに秋風を受けての草原トレッキングは最高に気持ち良さそう
      だ♪ というわけで、10月29日、平尾台は貫山に出かけてきました。
      鳥栖ICから小倉南ICまで九州道を走り、国道322号線→県道28号線で平尾台へ。
 
【スタート】
  平尾台にはいくつか散策ルートがありますが、今回は吹上峠から
  大平山を経由し貫山を目指します。

 
 かねし「平尾台って広いね〜。うーん、爽快!」
 とみし 「そうだな。しかし・・・ うっ、寒っ・・・!」
 かねし「ホント、風も強いし・・・ 10月も下旬になると
       大分違うね。」
 
  
防寒と風避けを兼ねてレインウェア(上着)を着込んで、am9:50
  吹上峠駐車場をスタートしました。
 
 【吹上峠】
   大平山の頂へ、まずは草の斜面を登ります。
 

  とみし 「木がない分、遠くまでよく見えるな。」
  かねし「うん、ハイカーが豆粒みたいだ。」
  とみし 「ハイカーだけじゃないぞ。ほれ、シビック君
        (愛車)もあの通りだ。」
  かねし(後ろを振り返って) うおっ!いつの間にこんな
        高い所まで・・・!」
 
   連なる山々、その下にスタートした駐車場が小さく見えました。
   こうして歩いた軌跡が見えるのも平尾台ならではですね。
 
【羊群原】
  急な坂を登りきりるとなだらかな草原が広がり、白い岩の群れが
  現れました。

 
 とみし 「これがカルスト台地で見られるという石灰岩
       だな。」
 かねし「なるほど、羊の群れみたいだね。”羊群原”
       というのもうなずけるよ。」
 
  平尾台で見られる石灰岩は大きさも形も様々。岩肌にひだのある
  ものや、穴の開いたものなどもあります。まさに自然が作り出した
  芸術品。
 
 【ドリーネ】
   見渡す限りのススキ野原。その展望の先に、いくつかのくぼ地
   が見えます。

 
  とみし 「あれがドリーネっちゅーやつか。」
  かねし「”石灰岩が雨水や地下水によって浸食され
        てできたすり鉢状のくぼ地”で、”カルスト台
        地特有の地形”だそうだ。」←ガイドブックより
  とみし 「へ〜ぇ。ホント、見事なまでのすり鉢状だ。
        まるでアリ地獄みたいだな。」
  かねし「うん。実際かなり深いらしいよ? 落ちたら
        おしまいかもね。」
  とみし 「怖〜・・・。」
 
【大平山山頂】
  林立する石灰岩の間を進んで、am10:25、大平山山頂に到着。
  標高587mの頂には山頂を示す標識が立っていました。
 
 とみし 「よかったよ、山頂の標識があって。」
 かねし「うん、あるのとないのとではやっぱ達成感が
       違うもんね。」
 とみし 「それもあるが、これだけ展望がいいとどこが
       山頂かわからんからな。知らないうちに通過
       してた、なんてことになったら・・・」
 かねし「あ、それは悲しすぎる。(笑)」
 
 【羊群原を行く】
   大平山から貫山に直行するルートもあるのですが、「ここはひと
   つ平尾台名物・羊群原を楽しもう!」ということで、ちょっと遠回り
   ですが中峠を経由して行くことにしました。標識を茶ヶ床園地方
   面に下ります。
 
  かねし「見渡す限り石灰岩の群れ。壮観だねー。」
  とみし 「景色はいいし、道もいいし、平尾台って歩い
        ていて気持ちいいな。 ところで風、おさまっ
        てないか?」
  かねし「そういえば、ちょっと暑くなった・・・」
 
   レインウェアを脱いでザックの中に。この時期は体温調節が難し
   いな・・・。
 
【中峠】
  am10:55、中峠に到着。とはいえ、中峠だと示すものは、この
  字がかすれた標識だけ。(右画像)
 
 かねし「えーっと、ここが中峠でいいんだよね?」
 とみし (地図と見比べて) だな。それにほれ、貫山を示
       す文字もあるゾ?」
 かねし「おぉっ、いよいよここから貫山登山が始まる
       んだね。」
 
  平尾台貫山地の主峰に想いを馳せ、ココロ踊るとみし&かねし。
  しかし先はまだ長い。(まだ半分くらいかな?/笑)
 
 
 【ススキの丘を越え、貫山を目指す】
   石灰岩の群れを抜け、ネザサをかき分けて登るとススキの穂
   が白く波打つ丘の上に出ました。
 
  とみし 「これはまた壮大な風景だな。」
  かねし
「ほ〜んと! それにこのリンドウ、鮮やかな
        ブルーがきれい♪」
 
   平尾台ではたくさんの草花が見られます。ついつい風景に目が
   行きがちですが、足元に注意してみるのも面白い♪
   風に吹かれながら尾根道を進むと、前方、平たい丘の向こうに
   黒い頂(野焼き後?)がひょっこり見えました。(左画像)
 
  とみし 「どうやらあれが貫山らしいな。」
 
【大平山を望む】
  貫山へ向う尾根道から、先程歩いてきた大平山が見えました。
 
 かねし「あそこから歩いてきたんだね。」
 とみし よくぞここま来たもんだ。(しみじみ)
 
  大平山の手前にもいくつかのくぼ地が。
 
 とみし 「もしかして、あれもドリーネか?」
 かねし「かなり大きそう。剥き出しになった石灰岩が
       崖みたい。迫力〜。」
 
 
 【貫山山頂】
   一旦下ってから林道を横切り、最後の登りへ。
 
  とみし 「この登り、基山の『山頂まで0.1km』に通
        じるものないか?」
  かねし「うん。草原状の急斜面ね。(笑)」
 
   滑りやすい足元に気をつけながら、このルート最後にして最高の
   ピークを上りきり、am11:45、平尾台で1番高い貫山山頂(標
   高711.6m)に立ちました。
 
  とみし 「うおー!展望いいなぁ。」
  かねし
「海が見える〜!あれが周防灘かな?」
 
    貫山山頂を示す標識。
 
【中峠から茶ヶ床園地へ】
  山頂で昼食を取った後、pm12:25下山開始。帰りは来た道を
  中峠まで戻り(pm1:00通過)、そこから羊群原を一望できると
  いう茶ヶ床園地を周ります。
 
 かねし「中峠から茶ヶ床園地までは、この林道を歩く
       んだね。(右画像)
 とみし 舗装路って歩きやすいけど、ちょっと味気な
       いよな。」
 
 【茶ヶ床園地】
   pm1:20、難なく茶ヶ床園地に到着。
 
  とみし 「ほ〜ぅ、これはまたすごい。」
  かねし「このルート、大平山→中峠→貫山と周って
        最後にここ、茶ヶ床園地に来るってのがポイ
        ントなんだね。」
  とみし 「というと?」
  かねし「ほら、歩いてきた行程が全て見渡せる。」
  とみし 「おおっ、なるほど!」
 
    羊群原の奥に貫山が見えます。本当なら左手に大平山も見え
     るのですが・・・ パノラマでお見せできないのが残念です。
  
      しばし感慨にふけった後、茶ヶ床園地を出発。(pm1:25) 自然散策路を通って吹上峠に向います。途中ドリー
      ネの観察地点があり間近で見ることができたのですが、いやはやあんなに大きいとは・・・ 驚きました。
      散策路を下ると車道に。車に気をつけながら歩き、pm2:00、スタート地点の吹上峠駐車場に戻りました。

 

 

    平尾台〜貫山ルートは、羊群原やドリーネといったカルスト台地特有の自然景観、広大な
    ススキ野原、周防灘を見下ろす尾根道など、変化に富んだ楽しいコースでした。たくさんの
    植物が自生するという広谷湿原や千仏鍾乳洞に足を伸ばしてみると、また違った楽しみ方
    ができそうです。今度は新緑の季節に登ってみたいな♪

平尾台に咲く花々。左からサイヨウシャジン(青)&アキノキリンソウ(黄)、リンドウ、サワヒヨドリ

 
<立ち寄りスポット>・・・今回、とみし&かねしが立ち寄ったのはこちら
【河内温泉 あじさいの湯】
  河内貯水池の近くにある日帰り温泉施設です。内湯
 も露天も広々していて、無色無臭のお湯にのんびり浸
 かれば、湯上り後も体はポカポカ。
  広い休憩所にはリクライニングチェアもあり、ゆったり
 過ごせます。女性専用の休憩所があるのもうれしい。
 居心地の良さに、ついウトウトしてしまいました。(笑)
 
 
 【お風呂データ】
   ・入浴料:大人¥800
   ・風呂施設:内湯、露天男女各1。家族湯、サウナ有。
   ・その他施設:休憩所、女性用休憩所、食事処、甘味処等
   ・「あじさいの湯」HPは
こちら
 
<おさらい>

今回お出かけしたルートはこちら。※毎度のかねしお手製Mapです。お出かけの際はちゃんとした地図でご確認を。

 
     ・平尾台へと続く県道28号線はカーブが多いので、運転にはご注意を。
 
     ・平尾台から「あじさいの湯」に向う途中通る県道61号線は、竹林がきれいな道です。
      この辺りはタケノコで有名な合馬地区。春になればおいしいタケノコが・・・ うほっ♪
 
     ・「あじさいの湯」は、国道322号線から道々看板が出てるので迷わず行けます。
 

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