おきらくお伊勢参りに行く

< Let’s 参拝!*2日目* >
1.豊受大神宮(外宮:げくう)
  2日目は外宮、内宮、別宮を順に参拝します。生憎の曇空
 に少々の不安を覚えながらも、朝1番のバス(am6:30神宮
 会館前発、庁舎経由外宮行)で外宮へ。
  伊勢神宮の正式名称は「神宮」。内宮と外宮を中心に、別
 宮、摂社、末社など125社から成る神社の総称です。外宮
 こと豊受大神宮(とようけだいじんぐう)の御祭神は豊受大御
 神(トヨウケオオミカミ)。内宮こと皇大神宮(こうたいじんぐう)
 に祀られる天照大神の御饌都神(みけつかみ:お食事をお供
 えする神さま)であることから、外宮から先にお参りするのが
 正式とされています。
  火除橋(ひよけばし)を渡り(画像右)手水舎でお清めし、一
 の鳥居をくぐったところで早くも雨が降り出しました。あぁ・・・
  小高い木々の下、参道の左側を御正宮へと進みます。外宮は内宮より幾分スケールダウンしているそうです
 が、そこはやはり伊勢の神宮。街中とは思えないほど、緑豊かで広大な杜です。早朝の境内に参拝者の姿は
 ほとんど見られず、耳に響くのは鳥のさえずり、踏みしめる玉砂利の音、そして静かに重なる雨だれの音・・・
 雨の神宮もまた素晴らしい。。。
 神宮で目に付くのが鳥居や板垣に飾られるお榊。(画像左)
 お榊は森の象徴で、10日に1度(夏場は週1回)、祭事の際
 はサイクルに関係なく全て取り替えるのだそうです。この日は
 2日、朔日参り(※)に備え取替えられたのか、まだ青々として
 いました。
  さて、神宮には通常の神社にあってないものがいくつかあり
 ます。賽銭箱、注連縄、狛犬、神前の鈴・・・ これは私幣禁断
 といって明治の初めまで皇族しかご神前でお供えできなかっ
 たから、注連縄や狛犬が普及する前から神宮としての形が
 既に確立されていて他の神社の影響を受けなかったから等
 の理由があるそうです。こういうところにも神宮の歴史を感じ
 ます。
 
  
朔日参り:ついたちまいり。毎月1日にお参りすること。1月無事に過ごせたことを感謝し、新たな1ヶ月の無事を祈る伊勢の慣わし。
 
【御正宮(ごしょうぐう)】
  木立を抜けると、右手に御正宮の入口・板垣南御門(いたがきみなみごもん)が見えました。外宮の参道が
 左側通行なのは、この点にあります。御正宮により遠い左側を歩くことで、少しずつ神さまに近づくのだとか。
 これも神さまを敬う、敬虔な気持ちの表れなのですね。
  板垣南御門で一礼し、御正宮正面・外玉垣南御門(とのたまがきみなみごもん)の前に進み出ます。いよいよ
 御正宮に拝礼です。御正宮は唯一神明造というお社ですが、幾重にも垣根に囲まれた上、正面には白い御幌
 (みとばり)があって、直接その佇まいを拝見することはできません。しかし、そこに漂う空気は並外れて厳かで
 清らかで・・・ 思わず息を飲みました。
  白い布を張った場所にお賽銭を納め、二拝二拍手一拝。長いこと憧れていた神宮だったので初めは舞い上
 がってしまったのですが、手を合わせると次第に心が平穏に満たされていくのを感じました。豊受大御神は衣
 食住を司る神さま、わたし達の生活に深い関わりのある神さまです。日々の恵みと、この日参拝が叶ったこと
 を深く感謝しました。

<御正宮>

<御正宮正面・板垣御門>

     杉の古木に守られるように佇む御正宮。辺りには厳か
     で神秘的な空気が漂い、自然と気が引き締まります。
     奥に見える門が外玉垣御門。御本殿はこの中に。正
     面からは恐れ多いので、脇から拝見します。


 

【新御敷地(しんみしきち)】
  御正宮に拝礼した後、隣の新御敷地へ。新御敷地とは神殿を建てるための敷地のことで、平成25年には
 現在西側にある御正殿がこちら・東側に建て替えられます。これは式年遷宮といって20年に1度神殿を建て
 替えるもので、1300年もの間脈々と受け継がれてきた大切な神事なのです。
  広い新御敷地の中央に見えるのは覆屋(おおいや)。神宮で最も神聖とされる心御柱(しんのみはしら:御正
 宮中央の床下に埋められた柱)のための建物です。周りを囲む板垣がない分、神さまのパワーが直接感じら
 れるようで圧倒されました。そのありがたさに、深く拝礼・・・

      東と西、交互に神殿を建て替え、常に新しい状態を保つことで、神さまの力を少しも損なうことなく現在に伝えてきた神宮。
      これを神道では『常若(常に新しく清浄であること)』の思想というらしい。

 
  新御敷地からは板垣越しに御正殿を拝見するることができ
 ます。(画像右)あれが神様の佇まいかと思うとちょっと感動。
 ところで、内宮と外宮ではお社がちょっと違います。外宮は
 千木(ちぎ)が外削ぎ(先端の切り口が垂直)ですが、内宮は
 内削ぎ(切り口が水平)になっています。また鰹木も数えられ
 なかったけど、内宮は10本、外宮は9本だそうです。
     
 
 
   かねし「一般に千木が外削ぎだと男神さま、内削ぎだと女神さまが祀られてるって言うよ。」
    
とみし「かねし、詳しいな。」
    
かねし「そりゃ〜、伊勢に来る前猛勉強したからな。」←意欲充分

 

 

  新御敷地に拝礼したら、外宮域内にある3つの別宮を順にお参りします。別宮とは正宮に次いで尊いお宮。
 御池にかかる大きな岩・亀石を渡り、参道をさらに奥へと進みます。しとしとと降る雨で木々の緑は一層瑞々し
 さを増し、辺りは濃厚な森の空気が満ちていました。

<御池>

<亀石>

     御正宮正面にある御池は、昔外宮を流れていた豊川
     の名残だとか。悠々と泳ぐ鯉の姿に和みます。
     御正宮から別宮へと渡す巨大な1枚岩。本当に亀に
     見えるから不思議〜。
【別宮 多賀宮(たかのみや)】
  豊受大御神の荒御魂(あらみたま:神さまの活動的な強いパワー)をお祀りする多賀宮はその昔、『高宮』と
 書いたそうで、なるほど、他の神殿より一段と高い場所にあります。長い長い石段の先に佇むのは簡素な木の
 お宮。しかし辺りには清々しい空気が漂い、神さまの気配が感じられるようでした。
  御正宮では畏れ多くてできない個人的なお願いもこちらでするとよいそうで、ついついお祈りにも力が入りま
 す。何と言っても神様の強力なパワーをお祀りするお宮、そのご利益は計り知れない・・・ ←欲深〜(笑)

<多賀宮のお社>

<多賀宮に続く石段>

     簡素な木のお宮ながら、辺りにはただならぬ気配が
     感じられます。お社前にそびえる杉の巨木は圧巻。
     木立の下に長く伸びる石の階段。雨に濡れて光る
     石段もまた風情があります。
【別宮 土宮(つちのみや)】
  石段を下り左へ、次は土宮をお参りします。土宮にお祀り
 するのは大土御祖神(オオツチミオヤノカミ)。外宮の土地を
 守る神様です。しかしもともとは地主の神さまで、土宮は御正
 宮よりも古いのだとか。
  豊受大御神は、内宮が建てられた500年後に天照大神の
 お告げで丹波の国からお迎えした神さま。豊受大御神がこの
 地に鎮座された後も、東向きという形そのままに(※)土宮を
 土地の守り神として残した古人に、和の心を感じました。
       東向きなのは土宮だけで、他のお宮は全て南向きです。
 
お宮の右隣にあるのは土宮の新御敷地。別宮にもそれぞれ新御敷地が
  あります。
   
【別宮 風宮(かぜのみや)】
  最後に土宮の反対側(東側)にある風宮にお参りします。
 お祀りするのは古事記にも記される風の神様・級長津彦命
 (シナツヒコノミコト)と級長戸辺命(シナトベノミコト)。風雨の
 難を避け五穀豊穣をもたらす神様として信仰されています。
  木々に囲まれた雰囲気の良いお宮ですが、伊勢湾台風で
 の被害は甚大なものだったとか。しかし内宮、外宮、その他
 別宮は一切被害がなく、当時の人々は風宮が全ての難を引
 き受け他のお宮を守ったのだと感じたそうです。以来、困難
 打破にもご利益があると言われています。
 
 
         元寇の際、内宮の別宮・風日祈宮とともに神風を起こし
          蒙古を退けたと伝えられる風宮。
   
【忌火屋殿(いみびやでん)】
  別宮まで参拝を終えたところで、忌火屋殿へ。忌火屋殿は天照大神にお供えするお食事を作る所、いわば
 神さまのキッチンです。
  実は朝1番に外宮を訪れた理由はここにあります。外宮では毎日朝夕2回、天照大御神にお供えする神事・
 日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)が執り行われていまして。もしかしたらその神事を垣間見る
 ことができるかな?と期待したのです。さて忌火屋殿に行って見ると・・・
  幸運にも、屋根から煙が立ち昇るのが見えました!(画像左下) 辺りには桧に似た芳しい香も漂っています。
 感動してしばらくその煙を見上げていると、白装束に身を包んだ神職さんが現れました。(画像右下) 整然と
 並んで忌火屋殿に向かっていきます。
  神さまへのお食事は少しの穢れもあってはならないと、材料は全て神宮内で自給自足しているそうです。古え
 の方法で火をおこし、古えの方法で調理し、古式に則ってお供えする・・・ 千年の昔から脈々と受け継がれる
 その光景がとてもありがたく思えて、2人とも自然に頭を下げました。

<忌火屋殿>

<忌火屋殿に向かう神職>

    朝の清々しい空気に薪の芳しい香りが漂う。忌火屋殿
    から立ち上る煙に1日の始まりを感じます。
     白い装束に身を包み、整然と忌火屋殿に向かう様は
     古来から引き継がれた光景。
【勾玉池】
  神楽殿横のお神札(おふだ)授与所で御朱印をいただいて
 から(御朱印帳もこちらで購入)勾玉池で一休み。伊勢市民
 の憩いの場・勾玉池は緑豊かで気持ちの良い場所です。花
 菖蒲の名所らしく、所々にピークを過ぎた花がポツポツ見ら
 れました。
  不思議なことに、参拝前に降り出した雨は、お参りが一通り
 終わる頃に止んでいました。神域に降る雨を「禊(みそぎ)の
 雨」というらしいのですが、あれはやっぱり浄化の雨だったの
 かな?と思いました。
2.外宮から月夜見宮へ
  外宮を出たら、外宮別宮・月夜見宮へ。外宮北御門口から
 北に伸びる神路通(かみじどおり)を歩きます。
  民家の間を抜ける神路通は文字通り神様の路。夜になると
 月夜見宮の神様・月夜見尊が石垣の1つを白馬に変え、この
 路を外宮・豊受大御神のもとに通われるのだそうです。そこで
 人々は夜にこの道を通るとき、神様に出会うのは畏れ多いと
 路の真ん中を避け端を歩くのだとか。
  趣のある石畳の路には水場が設けられ、通りに面した家々
 もそれぞれに花を飾ったり趣向を凝らしています。地元の方
 々に大切にされている路なんだなぁと思いました。
            水場の板塀に掛けられていた木札。風流です♪
3.外宮別宮 月夜見宮(つきよみのみや)
  外宮から300m程の所にある外宮の別宮・月夜見宮には、天照大神の弟神・月夜見尊(ツクヨミノミコト)と、
 月夜見尊の荒御魂が祀られています。月の引力による潮の満ち引きが出産や女性の周期に影響することから
 女性にゆかりのあるお宮だと言われています。そのためか、居合わせた参拝者は2、3人でしたが、いずれも
 女性。かねしもしっかりお参りしました。(笑)
  月夜見宮は繁華街の中にありながら緑の木々に覆われ、辺りは神秘的で清らかな空気に包まれています。
 境内には巨木と呼ぶに相応しい大楠があり、根元の洞にはお稲荷さんが祀られていました。

<月夜見宮入口>

<月夜見宮のお社>

    街中にありながら木々の緑が美しい、静かなお宮です。      月夜見尊とその荒御魂が一緒に祀られています。
4.猿田彦神社
  月夜見宮に拝礼した後は猿田彦神社へ。外宮前から内宮行きのバスに乗り、猿田彦神社前まで行きます。
 猿田彦神社は1日目に訪れた二見興玉神社と同じく、猿田彦大神をお祀りする神社で、道開き・交通安全の
 神様として信仰を集めています。また併せて祀られる猿田彦大神の子孫・大田命(オオタノミコト)が、天照大
 神の鎮座される場所として現在皇大神宮(内宮)がある五十鈴川川上一帯を献上し導いたことから、神宮の
 露払いに当たる神社ともいわれ、神宮参拝の前に訪れるのが良いとされています。今後のお導きを祈願する
 とともに内宮にお参りする旨をお伝えし、猿田彦神社を後にしました。
                  ※本当は猿田彦神社→外宮→内宮の順で参拝するといいらしいのですが、旅程の都合で致し方なく・・・

<猿田彦神社のお社>

<方位石>

    神宮とは異なる神社なのでお社の構えが違います。
    本殿は二重破風の妻入造り(にじゅうはふのつまいり
    づくり)というらしい。久しぶりに見るお賽銭箱や狛犬が
    新鮮に思えたり・・・(笑)
    方位除けの神様らしく神殿前には方位を刻んだ八角柱
    があります。本殿の鰹木や欄干なども方位にちなみ、
    八角形になっているそうです。(「古殿地」とは昔の神殿
    跡のこと。)
5.猿田彦神社から内宮へ、おはらい町を歩く
  猿田彦神社から皇大神宮(内宮)へ。御幸道路を渡り右に折れると、「おはらい町」と呼ばれる内宮の門前町
 があります。趣のある日本家屋が建ち並ぶ旧参宮街道は何ともいい雰囲気です。(画像左下) 特に伊勢名物
 「赤福」の前に広がる「おかげ横丁」はお江戸情緒たっぷり。昼食がてらちょっと見て回ったのですが、飲食店や
 みやげもの屋がひしめき合っていてすっごく楽しい♪ お参りが済んだらまた来よう
  迷った挙句、お昼に選んだのは「おかげ横丁」内にある「豚捨」の牛丼。(画像右下) 甘めのつゆが染みたお
 肉がご飯にぴったりマッチしておいしかったです。

<おはらい町>

<豚捨の牛丼>

     内宮の門前町・おはらい町。空前のおかげ参りブーム
     となった江戸時代を彷彿とさせる町並みが旅情をそそ
     ります。
     一風変わった「豚捨」という屋号は、牛肉にこだわって
     豚を捨てたことから付けられたとか。牛丼は赤だしが付
     いて¥1000。
6.皇大神宮(内宮:ないくう)
  昼食後、いよいよ皇大神宮(内宮)にお参りします。五十鈴
 川にかかる宇治橋を見たとき「あ、TVで見たのと同じだ。」と、
 うれしくなりました。(笑)(画像左:翌日の早朝に撮ったものです。/汗)
  橋を渡り広い神苑を抜け、五十鈴川御手洗場から御正宮
 へ。玉砂利の敷かれた表参道を延々と歩きます。外宮も素晴
 らしく緑の美しいお宮でしたが、内宮はまさに神の森。空を突
 くようにそびえ立ついくつもの杉の古木が、神宮の長い歴史
 を物語っているようでした。
  参道の終わりには緑の木々の下真っ直ぐに伸びる石段が
 あり、白い御幌の揺れる御正宮が厳かに佇んでいます。それ
 は夢にまで見た光景。「佐賀の片田舎からついにここまで来
 た。」そう思うと感慨深いものが・・・ 感動に震えながら拝礼
 しました。
   その後、お隣の新御敷地から別宮の荒祭宮と風日祈宮、所管社の大山津見神社子安神社と順に参拝。
  多くの参拝者で賑わう内宮ですが、神聖で粛々とした空気は少しも薄れない。これが天照大神さまの御神気
  なのでしょうか。ありがたいことです・・・   ※内宮については3日目の早朝参拝で詳しくご紹介します。

<大山祇神社と子安神社>

<花型の手水舎>

    手前のお社が木華開耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)
    を祀る子安神社。縁結び・子宝・安産・子育てにご利益
    があるといわれます。奥が木華開耶姫命の御親神・大
    山祇神を祀る大山祇神社、山の守り神です。
    大山祇神社と子安神社の前にある手水舎。木華開耶
    姫命にちなんでか、水を張る部分が花形になっていま
    す。ちょっとかわいい♪
 
7.内宮別宮 月讀宮(つきよみのみや)
  念願の皇大神宮参拝を果たし、次は内宮別宮・月讀宮に向かいます。内宮前から徴古館前経由外宮前行の
 バスに乗り中村で下車。御幸道路沿いに歩くこと5分、こんもりとした森が現れました。お榊の飾られた簡素な
 木の鳥居をくぐり、緩やかなカーブを描く長い参道をお宮へと進みます。緑の木々に覆われた玉砂利の道は清
 々しい気が満ちていて、歩いているだけで気持ちが和らぎます。やがて4つ並ぶお社が見えてきました。向かっ
 て右から月讀荒御魂宮、月讀宮、伊佐奈岐宮(いざなぎのみや)、伊佐奈弥宮(いざなみのみや)です。
  月讀宮の御祭神は月讀尊。漢字は異なりますが、外宮の別宮・月夜見宮と同じく天照大神の弟神です。そし
 て月夜見宮では1つのお宮に一緒に祀られている荒御魂が、こちらでは別のお宮(月讀荒御魂宮)に祀られて
 います。伊佐奈岐宮と伊佐奈弥宮には天照大神と月讀尊の御親神・伊弉諾尊(イザナギノミコト)、伊弉冉尊
 (イザナミノミコト)がそれぞれ祀られています。
  こちらにまでお参りする人は少ないのか(わたし達以外で参拝者は1組だけだった。)、境内はひっそりと静ま
 り返っていました。月讀尊は父神・伊弉諾尊が禊をしたときに生まれた神様だけに、罪穢れを祓い清める力が
 強いとか。森の息吹を感じながら静かに拝礼すると、清らかな空気に心が洗われるようでした。

<月讀宮入口>

<月讀宮の参道>

     月讀宮の入口は西と東にあります。画像は西側(御
     幸道路側)。バス利用だとこちらからになる。 
     自然林の中、神殿へと伸びる緩やかな参道。深い緑
     と清らかな空気に癒されます。

<月讀宮のお社>

<新御敷地>

     4つ並んだお社。月讀宮→月讀荒御魂宮→伊佐奈
     岐宮→伊佐奈弥宮の順にお参りするのが一般です。 
     4つのお宮にもそれぞれ新御敷地があります。木々
     の間から陽が差す様が美しい。
8.内宮別宮 倭姫宮(やまとひめのみや)
  外宮から始まった伊勢神宮巡拝の旅は、内宮別宮・倭姫宮で締めくくります。月讀宮から御幸道路を北へ。
 うだるような暑さに「やはりバスを使えばよかったかな?」と後悔し始めた頃、倭姫宮がある倉田山の麓に辿り
 着きました。
  倭姫宮は第十一代垂仁天皇の皇女・倭姫命をお祀りするお宮です。倭姫命は今の五十鈴川川上に皇大神
 宮を創建し、神宮の祭事や運営を定められた方でいわば神宮の創始者。このお宮はその功績を慕う地元の
 方々の手で大正時代に建てられたものだそうで、いかに倭姫命が伊勢の人々に敬われているかが伺えます。
  鳥居をくぐった途端、がらりと空気が変わるのが感じられました。凛とした冷たい空気に、額の汗がすーっと
 引いていきます。どことなく女性的でやさしい印象を受ける長い参道を進むと石段があり、その先にお社が木
 立に囲まれ静かに佇んでいました。
  二拝二拍手一拝で拝礼し、無事伊勢の神宮を巡拝できたことを感謝します。お参りが済んで顔を上げると、
 それまで垂れ込めていた雲が晴れ青空が覗いていました。まるで神様が巡拝を終えたわたし達を祝福してくだ
 さっているよう・・・ ありがたくも清々しい気持ちでしばし見上げていました。

<倭姫宮入口>

<倭姫宮のお社>

    創建が大正12年と歴史が新しい倭姫宮。月讀宮同様、
    雰囲気のよい参道がお宮へと続いています。
     「左々右々、元々本々」自然の秩序そのままにという
     神仕えの教えは今も受け継がれています。
9.本日の夕食:すし久
  徴古館前から内宮行きのバスに乗りお宿(神宮会館)へ。
 この日の夕飯はおかげ横丁にある「すし久」で、てこね寿司を
 いただきます。
  てこね寿司とは伊勢の郷土料理の1つで、寿司飯の上に漬
 けにしたカツオの切り身を乗せたもの。「すし久」秘伝の醤油
 ダレに漬けたカツオは特有の臭みが全くなく、寿司飯に混ぜ
 た大葉とショウガも効いていて、最後までさっぱりといただけ
 ました。美味♪
 
  
とみし「それにしても、前日からうなぎに牛肉、カツオと、今回の旅
        精つけまくりだな。(笑)」
  
かねし「ホーント、体の調子もすっごくいい〜♪」
 
   
お店の雰囲気がいい「すし久」。五十鈴川を望むロケーションもいい。


 

                   お木曳仕様のビール。いや〜、めでたい♪
 
      
伊勢名物・てこね寿司。小鉢と赤だしが付いて¥1050(税込)。
        寿司桶に盛られたてこね寿司はなかなか豪快です。
       
< 2日目おさらい >
 
 今回の参拝ルートはこちら。→

   ※かねしお手製の簡略Mapです。お出かけの際はちゃんとした
     地図でご確認下さい。
 
 ・ 豊受大神宮(外宮)はバス停・外宮前下車すぐ。JR・近鉄伊勢
  市駅からでも徒歩5分です。
 
 ・ 外宮から外宮別宮・月夜見宮へは徒歩約10分。外宮前の道路
  をNTTの所から脇に入ると神路通りです。
 
 ・ 内宮の露払いの位置にある猿田彦神社。休日、内宮への道が
  渋滞するときはここでバスを降り、おはらい町を歩くと良いです。
 
 ・ 猿田彦神社の境内には、天孫の道案内を勤めた猿田彦大神を
  後に伊勢の地へと導いた天宇受売命(あめのうずめのみこと)を
  祀る佐瑠女(さるめ)神社があります。巧みな踊りで天岩戸にお
  隠れになった天照大神を誘い出したことから、芸能の神様として
  崇められています。
 
 ・ 皇大神宮(内宮)へは伊勢市駅前からバスが出ています。庁舎
  経由(55番系統)と徴古館経由(51番系統)とありますが、庁
  舎経由の方が早いです。
 
 ・ 内宮別宮・月讀宮へは徴古館経由の内宮・外宮循環バスで「中
  村」下車徒歩約5分。倭姫宮は「徴古館前」下車すぐです。
 
 ・ 牛丼の「豚捨」もてこね寿司の「すし久」もおはらい町の一角・お
  かげ横丁内にあります。散策には横丁入口に置いてある地図が
  便利です。
 
  
※神宮の参拝には神域案内図(イラストマップ)があると便利
    です。神宮会館と内宮、外宮それぞれの衛士見張所で手に
    入ります。

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