出雲スピリチュアルドライブ3
〜出雲國神仏霊場の旅・完結編〜

 一昨年、昨年と出雲を訪れ、参拝した神社は11社。「ここまできたなら出雲國神仏霊場(※)20社寺
 全部巡拝したいよね。」というわけで、三度出雲路へ。「満願」目指して、東は大山から西は雲南まで、
 美しい出雲の自然に触れ心身共にリフレッシュする、出雲スピリチュアルドライブ第3弾です。
                                                        (2008年5月3日〜5月5日)
 
         
出雲国神仏霊場についてはこちら。公式HPには参拝の仕方が紹介されているので1度見ておくと安心です。
     
< Let’s ドライブ!*1日目* >
1.出発 (a.m 5:00 鳥栖IC出発)
  鳥栖ICから九州道に入り、関門海峡を渡って中国道をひた
 すら東へ。出雲は3度目なので中国道にもそれなりに慣れた
 のですが、今回は大山まで一気に行くのでかなりの長丁場。
 ここは無理をせず、こまめに休憩を取り入れて行くことに。
  GW期間中の割りに車の流れは順調で「これは案外早く着け
 るのでは?」と思ったのですが、山陽道と合流する北房Jct辺
 りから混み始め、落合Jctで米子道に入った途端完全に渋滞
 にはまってしまいました。やっぱり早めに出発してよかった・・・
  蒜山高原SA(a.m 11:30〜p.m 12:00)で昼食を取り、米子IC
 へ。
(p.m 12:30着) ここから出雲路の旅スタートです。
 
     夜明の基山PA。こちらで朝食と取りました。コンビニもあって便利

 

 

<蒜山高原SA>

<大山!>

    米子道唯一のSA。こちらも大変な混雑で、お蕎麦1杯
    食べるのもやっとでしたー。(汗)
     蒜山高原SAからは大山の神々しい山容が・・・!とう
     とう来たなーと思った瞬間です。
2.大神山神社(本社) (p.m 12:35着〜p.m 1:00出発)
  まずは米子ICから程近い、9番札所・大神山神社本社へ。
 大神山神社は大山の中腹にある奥宮と、麓にあるこちら・本社
 と2社に別れています。これは本来のお社・奥宮が雪に覆われ
 る冬季でもお参りができるよう、麓にもお社を建てたためです。
 それゆえ、こちらのお社は冬宮とも呼ばれます。雪のないこの
 時期なら奥宮のみの参拝でも御朱印はいただけるのですが、
 やはり両方のお社をお参りして「おかげ」を受けたい・・・←欲深
  鳥居の側には、風化して角がすっかり丸くなった狛犬が2体。
 この場所にお社が建立されたのは江戸時代とのことですが、
 こういうところからも歴史が感じられます。楼門をくぐり、拝殿前
 で拝礼。これから奥宮にお参りする旨を伝えて、本社を後にし
 ました。
  大神山神社本社の拝殿。正面にかかる太い注連縄に出雲を感じます。
3.大山へ
  県道24号線を東に、大神山神社奥宮が鎮座する大山へ。中国地方一の高さを誇る大山は(標高1711m)、
 古名を大神山といい、「神のいます山」として古くから人々に崇拝されてきました。かつては山岳信仰の聖地と
 して、登山も禁じられていたとか・・・ 「伯耆(ほうき)富士」とも呼ばれるその端正な姿を見ていると、それもなる
 ほどと思いました。
  美しい木立が続く幅広の道路は絶好のドライブルート。「木々の色合いが九州とは微妙に違うみたい。」眩しい
 新緑に目を細めていると、道脇にほぼ等間隔でお地蔵様が祀られているのに気づきました。霊峰・大山に近づ
 いてる・・・ そんな雰囲気がひしひしと伝わってきます。

<大山への道>

<お地蔵様>

    幅広でカーブもない快走路。周囲を取り巻く美しい緑は
    癒し度満点♪
    中には風化してお顔の判別できないものも・・・ 昔から
    道行く人を見守ってこられたのでしょうね。
3.大山 (p.m 1:15着〜p.m 3:40出発)
  緑のトンネルを抜けると、雄大な大山が目の前に現れました。遠目からもその神々しさには目を見張るものが
 ありますが、近くで見るとまた迫力! 左手に広い駐車場があり、どうやら一般車両の進入はここまでの模様。
 車を止め、九番札所・奥宮、十番札所・大山寺へは歩いて行きます。

<大山駐車場>

<門前町>

    残雪の山に緑の斜面。思わず「アルプスの少女ハイジ」
    の1風景を連想してしまったかねしです。(笑)
    お宿や飲食店、みやげ物屋が並ぶ門前町。どこか懐か
    しい感じがします。

*大神山神社(奥宮)*

  門前町の坂道を上り詰めた所に大山寺、そこから先700mに及ぶ石畳の参道を上ると大神山神社奥宮と
 なります。「出雲國神仏霊場全20社寺周るなら、大神山神社と大山寺が1番大変ですよ。」とは昨年訪れた
 須我神社の神職さんのお言葉。確かに、この行程だと駐車場から行って帰るだけでも1時間はかかるゾ。(汗)
 はじめに大神山神社奥宮を参拝しようと、大山寺のたもとにある石造明神鳥居をくぐり、参道へ進みました。

 

 

<大神山神社奥宮入口>

<石畳の参道>

    大山寺仁王門の下にある石造りの明神鳥居。ここから
    社殿まで石畳の参道が700m続きます。
     自然石の石畳としては日本最長。枝葉が陰を落とす
     石畳の参道は霊験な空気が漂っています。

<和合の岩>

<無明の橋>

    杉の老木が岩を抱え込むようにして立つことから和合
    (仲良し)の象徴とされています。夫婦円満、子宝、縁
    結びを願うと叶えられるとか。
     橋の裏には金剛経が彫られていて、この橋を渡ると
     一切の罪障が消え去ると言われています。1度とい
     わず、何度か渡っておいた方がいいかな?←おぃ!


 

  長い参道を抜け神門をくぐると、檜皮葺きの壮麗な社殿が山
 懐に抱かれるように佇んでいました。国内最大級の権現造で、
 厳しい風雪に耐えてきたであろう剛健な外見とは対照的に、内
 部は華麗な彩色が施されています。
  御祭神は大己貴命(オオナムチノミコト、大国主命の別名)。
 しかしこれは明治の神仏分離以降のことで、それまでは神仏
 習合に習い大己貴命に地蔵菩薩を祀り「大智明権現」の称号
 をあてて拝んでいたのだそうです。
  元は大山を神体山とする修験者の遥拝所だった奥宮、境内
 からは残雪の大山がきれいに見えました。
 
    
    文化2年(1805年)建立の権現造りの社殿。(国重要文化財)
        残雪の大山に桜の花、心が洗われる風景です。

 

 

<神門(後向き門)>

<御朱印>

    扉の閂(かんぬき)が外側にある不思議な門。元は西
    楽院の門で、移築の際向きを変えなかったためこの様
    に表裏反対になったという説があります。
     御朱印に記された象徴の一文字は『神』。古名を大神
     山といい、大山そのものを御神体として崇めてきた大
     神山神社らしい一文字だと思いました。


 

【大山下山神社】
  奥宮境内の隅に、小さいながらどこか目を引く秀麗なお社が
 ありました。両脇に鎮座するのが狛犬ではなく石狐であること
 からお稲荷さん(宇迦之御魂神)かと思ったのですが、案内板
 によるとこちらは渡邊照政公をお祀りする下山神社とのこと。
  1330年というと鎌倉の頃でしょうか、大神山神社を篤く信心
 していた照政公はその参拝の帰り不慮の事故で亡くなったそう
 です。哀れんだ里人が下山という場所に祠を建てたところ数々
 の霊験があって、現在の場所に祀るようになったとか。
  ちなみに狐は神様のお使い。願いを神様に取り次いでくれる
 らしい。ありがたや。。。
  八棟権現造りの社殿(文化2年建立)は県重要文化財に指定されている。
   

*大山寺*

  来た道を戻り大山寺(本堂)へ。こちらには明治の神仏分離
 で大己貴命と分けられた地蔵菩薩が祀られています。
  風格漂う山門をくぐり本堂に。大山寺は養老2年(718年)、
 金蓮上人により修験者の道場として開かれました。平安末期
 〜室町時代には160の僧坊と3000の宗徒を擁する大寺院
 として栄えましたが、神仏分離・廃仏毀釈で寺運は衰退。現在
 はお堂が数箇所残るのみだそうですが、霊峰・大山の御神威
 は少しも損なわれていないのでは・・・ 大山寺〜大神山神社
 一帯を包む清々しくも厳かな空気に触れていると、そんな気が
 してきます。
  『開運鐘』という縁起の良さげな鐘を突き、撫でると願いが叶
 うという『宝牛』もちゃっかり撫でて←ホント欲深阿弥陀堂へと
 向かいました。

 

 

<山門(仁王門)>

<御朱印>

    杉の古木の元に建つ山門。こちらで拝観料300円(宝
    物館入館料込)を払います。
     大智明大権現の「智」。「一切のものごとをよく理解し、
     煩悩を絶滅する」地蔵菩薩の本願だそうです。

*阿弥陀堂*

  南光河原を渡り、木々の間を抜け・・・ 阿弥陀堂へのルートはちょっとした自然散策路。始めはトレッキング
 気分で歩いていましたが、お堂へと真っ直ぐに伸びた参道に踏み入れた途端、辺りの空気が変わるのを感じ
 ました。それは古刹特有の深閑とした雰囲気・・・ 並び立つ杉の老木の下、粛々とした気持ちで進んで行くと、
 古いお堂がひっそりと佇んでいました。
  阿弥陀堂は大山寺に現存する最古の建築物で、平安初期に創建、藤原期に建立されたといわれています。
 しかし亨禄2年(1529年)山津波で倒壊、現在の場所に再建されたのは天文21年(1552年、というと室町
 末期だな)のことだそうです。驚いたことにこのお堂、古材を再利用しているため柱や組物など主な部分は鎌
 倉時代のものだとか。「大山の厳しい環境にあって、幾度となく再建を余儀なくされたのだろうな。」 どっしりと
 した重厚な佇まいに、大山寺の長い歴史を見る思いがしました。
  ちなみに中にお祀りするのは、仏師・良円作といわれる高さ2.8mの阿弥陀如来像(両脇は観音、勢至の
 両菩薩)。事前予約しないと拝観できないとのことで、阿弥陀如来さまのお姿を思い浮かべながら、お堂に向
 かって手を合わせました。                        ※建物、仏像とも国重要文化財に指定されています。

<阿弥陀堂>

<阿弥陀堂の参道>

    第一印象は質実剛健。(笑)装飾はほとんどありません
    が、太い柱や組物(屋根の下、木材を組んでいる部分)
    に風格を感じます。
     道が右斜めに見えるのは錯覚ではありません。(笑)
     「右下がりの石段」といって、雨の日道に水が溜まら
     ないよう、段が斜めに切ってあるのです。


 

<大山の自然>
  大山はその昔神体山として登山が禁じられていたせいか、
 今なお、豊かな自然が残されているようです。可憐なイチリン
 ソウ、風変わりなイカリ草、満開の山桜、南光河原を流れる
 澄んだ水・・・ 大神山神社から大山寺、阿弥陀堂と、ほんの
 少し山麓を歩いただけで、たくさんの自然に触れることができ
 ました。案内所でいただいたマップを見ると、夏山登山コース
 をはじめ、色んな散策路が設けられています。「また季節を変
 えてじっくり歩いたら楽しいだろうな。」 訪れる度に違う表情を
 見せてくれそうな大山、機会があったらまた訪ねたいです♪
 
                            南光河原から見た大山の頂

*大山で出会ったお花たち*


<左からイチリンソウ、イカリ草、桜>

4.本日のお宿:ホテルアクシス (p.m 4:30着)
  大山の自然と神秘を存分に堪能し、本日のお宿・ホテルアクシスに。ホテルアクシスは米子の中心地にあっ
 て、観光にも便利なビジネスホテルです。夕食はホテルから歩いて5分の「旬の旨いもんや 海王」へ。境港で
 あがったピチピチのお魚はお刺身と天ぷらで♪ 続いて大山鶏のつくね、出し巻き卵、サラダと平らげ、最後は
 名物・じゃこめしで締め。文字通り旬の旨いもんをいただいて、大満足ー♪な米子の夜でした。

 
*海王のうまいもん達*

<左から本日の刺身盛り(2人前)、手作りつくね、海王名物・じゃこめし>

 
< 1日目おさらい >
 
 今回のドライブルートはこちら↓
  
 
  ・ 大神山神社本社へは県道24号線から脇道に入りますが、案内標識が小さいのでちょっとわかりづらいです。詳しいアクセス
   方法は
公式HPを。有名と聞いていた菖蒲園は残念ながら閉園になっていました。でも代わりにたくさんの紫陽花が参拝者の
   目を楽しませてくれそうです。
 
  ・ 大山の観光情報は
「公式観光サイト D−Club」でチェック。大変参考になりました♪
 
  ・ 大山寺の参拝には拝観料300円(4月〜11月、宝物館の入場料込)、また阿弥陀堂内部の拝観は事前予約+拝観料が必要
   です。詳しくは
大山寺公式HPを。
 
  ・ ホテルアクシスは米子中心部にあります。詳しくは
こちら
 
  ・ 地元の旨いもんがいただける「旬の旨いもんや 海王」のHPは
こちら。旬のメニューがチェックできます♪
 

*2日目へ*

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