出雲スピリチュアルドライブ3
〜出雲國神仏霊場の旅・完結編〜

< Let’s ドライブ!*2日目* >
1.朝の散歩
  目覚めてカーテンを開けると、大山の稜線がきれいに見えま
 した。今日もお天気良さそうだ♪
  「せっかく早起きしたんだし、散歩にでも出てみよう♪」ガイド
 ブックをめくり、下町情緒が残るという旧加茂川方面に出かけ
 てみました。
  大通りを渡り横道に入ると、立派な山門を構えたお寺が。「こ
 んな町中にすごいな。」と思ったらその隣も、その隣も、ずっと
 ずっとお寺が並んでいる・・・?! 実はここ『お寺銀座』と呼ば
 れる通りで、これらのお寺は米子城築城の際各地から移築さ
 せたものだとか。直線状にお寺が建ち並ぶ様はちょっと圧巻。
  さらに進んで旧加茂川に。川沿いに佇むなまこ壁の土蔵が
 当時の商家の賑わいを思わせます。
              朝靄の中にくっきりと浮かんだ大山のシルエット

 

 

<旧加茂川と蔵群>

<寺町>

     下町の風情が色濃く残る場所。ここから中海をめぐる
     遊覧船も出ています。
     加茂川のはずれにある寺町。一角には9つの寺院が
     横並びする珍しい通り『お寺銀座』があります。
2.出発 (a.m 7:20 お宿出発)
  散歩から戻り、コンビニで調達した朝食を食べてから、am7:20、お宿を出発。この日は中海の南側から宍
 道湖の北側を通り、お寺を巡拝しながら出雲に入ります。
3.清水寺 (a.m 7:35着〜a.m 8:50出発)
  国道9号線から県道9号線に入り南へ、まずは十一番札所・
 清水寺にお参りします。
  清水寺は開山用明天皇2年(587年)という古刹。当時水が
 出なかったこの山で1週間祈願したところ水が湧き、以後雨季
 にあっても、乾季にあっても、常に清らかな水を湛えたことから
 「清い水が出る寺」、清水寺と命名されたのだそうです。
  広い境内には石南花やツツジが咲き乱れ、まるで花の寺。
 紅葉の青葉も美しい。
  参道を進み石段を上ると本堂です。ご本尊は厄払いにご利
 益があるといわれる十一面観音さま。早朝人気のない本堂で
 静かに手を合わせていると、気持ちが和らぎます。
  本堂の前には2本の杉の巨木が。間に立つと大樹の持つ生命力が
   感じられるようです。

 

 

山陰唯一の三重塔は清水寺のシンボル。
  

象徴の一文字は『慈』。仏教では最も尊い心であり、功徳の大きな修行と
  されているそうです。

  


 
*春、清水寺で見られる花々*

 

 

  参拝後御朱印をいただこうと思ったのですが、受付場所が
 わかりません。困り果て、お堂への石段の麓にあるお店のお
 ばあちゃん(尊敬と親しみを込めてそう呼ばせていただきます)
 に尋ねたところ、開店前でお忙しいでしょうに、手を止めて丁寧
 に教えてくださいました。
  帰り際、そのお人柄に引かれお土産用にと羊羹を3本買い
 求めたのですが、その時も試食にと羊羹を切ってくれたり、お
 茶を勧めてくれたり・・・ そのやわらかな物腰とやさしい笑顔、
 わたしにはおばあちゃんがお地蔵様のように見えました。
  「どうしたらそんな人になれるのかな? どうしたらそんな風に
 美しく年を重ねることができるのかな?」 そのヒントを翌日、と
 あるお寺で見つけました。― そのお話はまた後ほど。(笑)
       おばあちゃんの『黒田千年堂』。羊羹は清水寺の名物です♪
4.雲樹寺(うんじゅじ) (a.m 8:55着〜a.m 9:20出発)
  次に訪れたのは清水寺から程近い十二番札所・雲樹寺
 元享2年(1322年)孤峰覚明(こほうかくみょう)によって創建
 された禅寺で、出雲地方で最も古い禅寺の1つだそうです。
  参道を進み、「酒絶地蔵」(!)に突き当たったところを左に
 折れると境内で、重厚で風格のある山門の向こうに唐風のお
 堂が佇んでいます。
  ご本尊は拈華微笑仏(ねんげみしょうぶつ)。家内和楽のご
 利益があるそうで、熱心に手を合わせました。←つくづく、欲深・・・
  その後社務所で御朱印をいただいていると、1匹の大きな蜂
 が飛び込んできました。「巣作りの今の時期は、この辺り多い
 んですよ。まぁ、そのうちどこか行くでしょ。」頭の周りでブンブン
 羽音をたてている蜂に少しも乱されることなく、サラサラと筆を
 走らせる姿勢を見て、さすがだなぁと思いました。

 

 

<四脚門>

<山門>

     参道の中間にある四脚門。開山当時の姿を今に残す
     貴重なもので、国の重要文化財に指定されています。
    山門に掛かる額は後醍醐天皇洗筆の勅額とか。モミジ
    の青葉と石楠花が色を添えます。

<大国さまと恵比寿さま>

<御朱印>

     境内で見かけた大黒さまと恵比寿さま。コロンとした
     お姿が笑みを誘います。
     禅寺の”禅”だと思ったのですが「天子(私達のこと)が
     大地を清め、山川の神を祭る」という意味だそうです。
5.華蔵寺(けぞうじ) (a.m 10:10着〜a.m 11:05出発)
  雲樹寺から国道9号線に戻り、中海の西を回って7番札所・
 華蔵寺へ。標高456mの枕木山山頂にあるだけに、石段を登
 り長い参道を歩きとたどり着くまでが大変なのですが、眼下に
 中海を望む眺望は格別です。
  ご本尊は釈迦牟尼佛と枕木薬師如来。それぞれのお堂にお
 参りした後社務所へ行くと、奇遇にも和尚さんは佐賀で修行を
 された方で「サガン鳥栖の調子はいかがですか?」などと気さく
 に話しかけてくださいました。
  華蔵寺もまた開基が1200年前と歴史の古いお寺。建物を
 維持するのは大変なご様子で、和尚さんも自ら書や絵をした
 ため販売するなど色々苦心されていました。再び訪れることが
 できますようにという願いも込めて心ばかり寄付したところ、
 和尚さんはハガキ大の書をくださいました。ありがたや・・・

 

 

<華蔵寺の参道>

<不動明王像>

     延々と続く石段。登り口には竹の杖も。お参りの際は
     歩きやすい靴を履いていくことをお薦めします。(笑)
     参道の途中にある石の不動明王像。周りの自然に溶
     け込むようにあるのが印象的でした。

<枕木山からの展望>

<山門としゃくなげ>

     薬師堂の前にある第1展望台からは中海に浮かぶ大
     根島が眼下に見えます。爽快!
     古いながら趣のある山門。辺りに咲く石楠花の花も
     見事です。

<花祭り>

<御朱印>

    境内ではお釈迦様の誕生を祝う花祭りの準備が。私達
    も甘茶をご馳走になりました。
     象徴の一文字はご本尊・枕木薬師瑠璃光如来の『薬』。
     こちらの薬師如来さま、諸病に効能があるとか。
6.月照寺(げっしょうじ) (p.m 12:40着〜p.m 1:40出発)
  松江市街地にあるラーメン屋さんで昼食を取ってから、松江
 城近くにある5番札所・月照寺へ。
  月照寺は歴代松江藩主松平家の菩提寺で、境内には各藩
 主の廟が設けられています。墓所なのでこれまで周ったお寺と
 はちょっと感じが違いますが、深い緑の中静けさが漂い何とも
 いい雰囲気。あの小泉八雲が好んで散策したというのもわかる
 気がします。
  「夜な夜な松江を徘徊する」といわれる大亀を撫でて、本堂に
 お参り。ご本尊は阿弥陀如来。初代直政公が生母・月照院の
 冥福を祈って造立したものだとか。参拝後は本堂に隣接する
 書院で休憩しました。美しいお庭を前にほっと一息。
  別名あじさい寺とも呼ばれる月照寺。各廟を巡る参道にはたくさんの
   紫陽花が植えられています。咲いたらきれいだろうな♪

 

 

<廟門の彫刻>

<大亀>

     廟ごとに門が設けられていて、それぞれに美しい彫刻
     が施されています。
     寿蔵碑の大亀。小泉八雲の随筆に出てくることでも
     有名。頭をなでると長生きできるとか。

<お庭>

<御朱印>

     本堂に隣接する庫裡「高真殿」のお庭。ツツジと牡丹
     がきれいでした。こちらではお抹茶もいただけます。
     当代随一の茶人と称される7代藩主松平治郷公こと
     不昧公の『昧』。
7.一畑寺(いちばたじ) (p.m 2:20着〜p.m 3:10出発)
  次は宍道湖を左手に見ながら国道431号線を西へ、標高
 300mの一畑山上にある3番札所・一畑寺に向かいました。
  一畑寺の創開は平安時代寛平6年(894年)、漁師の与一
 が一畑山麓の海から引き上げた薬師如来をお祀りしたのが
 始まりとか。その後与一の母親の目が開いたり、戦国時代に
 幼児が助かったことから「目のお薬師さま」「子どもの無事成長
 の仏様」と呼ばれ、霊験あらたかなお薬師様として信仰されて
 きたそうです。この日も「二才児まつり・四才児まつり」が行わ
 れており、たくさんの家族連れで賑わっていました。
  社務所の前にはお茶湯が。参拝後わたし達もいただいたの
 ですが、なんでも一畑薬師如来にお供えした特別なお茶で、
 眼病にご利益があるとか。そう言われるとなんだか体に効くよ
 うな気がする。。。(←その気になりやすいかねし)

 

 

<一畑寺参道>

<御朱印>

     杉木立の中、石灯篭がずらりと並んでいます。途中
     視界の開けた所から日本海が望めました。
     薬師如来は別名・医王仏とも。心身の救済を願って
     くださる仏さまです。象徴の一文字は『医』。


 

<こぼし君>

<一畑まんじゅう>

    一畑寺駐車場の側にあるお土産屋さんで見つけた木製
    の起き上がりこぼし。コロンとした形がラブリーです♪
     みやげ店で1番多いのが「一畑まんじゅう」のお店。
     販売は1個からOK。蒸し立て熱々がいただけます。
8.鰐淵寺(がくえんじ) (p.m 3:45着〜p.m 4:40出発)
  この日の巡拝を締めくくるのは2番札所・鰐淵寺。武蔵坊弁
 慶が若い頃修行をしたことで知られるお寺です。創建は推古2
 年(594年)とこれまたかなり古いお寺。つくづく出雲は歴史の
 ある場所だなぁと思いました。
  駐車場から山門まではかなりの距離がありますが、清流の
 せせらぎを耳にしながら歩くのはなんとも気持ちが良い♪ 山門
 からはモミジの参道が続き、秋の紅葉が偲ばれます。
  ご本尊は千手観音菩薩と薬師如来。深閑としたお堂で手を
 合わせると気持ちが落ち着きます。
  参拝後社務所で御朱印をいただくと、ご住職が「遠くからお参
 りでしょう。」と労いの言葉をかけてくださいました。こうして地の
 方と言葉を交わすというのは、旅をする上で何よりの経験。「神
 仏霊場」を巡ることでこそ得られたこの機会に深く感謝します。

 

 

<車道脇の清流>

<山門>

    駐車場から山門までの長い道のり、この清水の流れは
    一服の清涼剤です。
     木立のもとに佇む山門は古刹の雰囲気たっぷり。絵に
     なる風景です。

<お堂に続く石段>

<御朱印>

     華蔵寺にも匹敵するかと思われる長い石段。モミジの
     青葉が目に眩しい。
     象徴の一文字は開創の地である浮浪滝にちなんで
     『瀧』。推古天皇の眼病も治したといわれる霊水です。
9.本日のお宿:出雲グリーンホテルモーリス (p.m 5:10着)
  全ての参拝を終え出雲市へ。この日のお宿は出雲グリーン
 ホテル
。ビジネスホテルなのに大浴場(といっても5人も入れば
 いっぱいになるくらいの大きさですが)が魅力。
  お部屋で一息入れたら、ホテルから程近い居酒屋「日本海
 庄や」へ。前回訪れたとき満席だったので、今回はしっかり予
 約を入れておきました♪通されたのは落ち着いたテーブル席。
 居心地の良い空間においしいお酒&お料理と、人気の理由が
 わかりました。
  日本海の幸に舌鼓を打った後はホテルでのんびり。この日
 巡ったお寺の光景を思い浮かべながら眠りにつきました。
 
            「日本海 庄や」の海鮮サラダ。
               食べるのに夢中で他のお料理は写せなかった。(汗)
< 2日目おさらい >

今回のドライブルートはこちら。↓ ※かねしお手製の簡略Mapです。お出かけの際はちゃんとした地図でご確認下さい。


   ・ 下町情緒が残る旧加茂川エリアは米子市役所より北西、国道9号線から少し入ったところにあります。詳しくはこちら
 
   ・ 清水寺は国道9号線に案内標識が出ています。桜やツツジが咲く春もいいけど、秋の紅葉もきれいそう♪
 
   ・ 雲樹寺は清水寺から程近くに。清水寺から道々に案内標識が出ています。境内は自由ですが庭園は拝観¥500。
    山門近くにも駐車場がありますが、四脚門を見学するのでしたらお寺の入口にある駐車場に。
 
   ・ 華蔵寺は国道431号線から山道を上がった所に。入口からお堂までの参道が長いので歩きやすい靴をお薦めします。
 
   ・ あじさい寺で知られる月照寺は松江城の西側にあります。拝観には拝観料¥500が必要です。
 
   ・ 「目のお薬師さま」で親しまれる一畑寺は、国道431号線から道中案内板が出ています。HPはこちら
 
   ・ 弁慶ゆかりの地・鰐淵寺は県道23号線から案内標識が出ています。開創の地・浮浪滝もぜひ見てみたい。
 
   ・ 出雲グリーンホテルモーリスはJR出雲市駅の近く。アメニティも充実していて居心地いいです。HPはこちら
 
   ・ 居酒屋「日本海庄や」は、出雲グリーンホテルモーリスのすぐ側です。
 

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