宮崎スピリチュアルドライブ
〜日本神話の舞台を訪ねて〜

< Let’s ドライブ!*2日目* >
1.宮崎県庁舎へ(朝の散歩)
  翌朝、ホテルの近くに県庁があったことを思い出し、散歩に
 出かけてみました。ホテルから南へ、最初の角を西に曲がると
 立派な街路樹が。こちらは『県庁楠並木通り』といって日本街
 路樹百景にも選ばれた有名な通りだそうです。道沿いに枝を
 広げる楠が並ぶ様は圧巻。中には樹齢100年を越えるものも
 あるとか。街中とは思えない景観です。
  宮崎県庁舎はそんな並木通りに面していて、緑にレンガ色の
 県庁舎がよく映えます。夢中でシャッターを切っていると守衛
 さんに手招きされました。「無断で撮っちゃ悪かったかな?」と
 ドキドキしながら近づくと、「ここから撮るといいですよ。」ベスト
 スポットを教えてくれました。さらには庁舎の中・大理石の階段
 まで招き入れてくださり、記念撮影まで。宮崎県庁は観光客に
 もやさしい施設です。※守衛さん、その節はありがとうございました。

 

 

<県庁舎全景>

<県庁舎入口>

     宮崎県の県木・フェニックスに花壇いっぱいのお花。
     南国ムードたっぷりの庁舎です。ちなみに守衛さんの
     おススメは花壇前からのショット。
     すっかりお馴染み・東国原知事がお出迎え。階段に
     使用されている宮崎産の大理石は化石入りで、地質
     学的にも貴重なものらしい。
2.出発 (a.m 8:00 お宿出発)
  散歩から戻り、朝食を食べたら出発。この日は霧島六社権現を巡拝しながら霧島に向かいます。
 
 *霧島六社権現とは*
   天孫・瓊々杵尊が降り立ったと伝えられる霊峰・高千穂峰の周囲にある一連の神社:霧島神宮、東霧島
   神社、霧島岑神社、夷守(ひなもり)神社、狭野神社、霧島東神社の総称です。霧島六社権現として整備
   したのは性空(しょうくう)上人という僧侶で、十世紀、村上天皇の頃のことだったとか。明治時代に夷守
   神社が霧島岑神社に合祀され、現在は五社になっています。
3.宮崎神宮 (a.m 7:45着〜a.m 8:25出発)
  霧島に向かう前に、ホテルから程近い宮崎神宮に立ち寄ることにしました。宮崎神宮の御祭神は初代神武
 天皇。前日訪れた都萬神社の御祭神・木花咲耶姫の曾孫に当たられる方です。日本神話を語るには、やはり
 ここは外せない・・・!(←自称『古事記』オタク)
  神武天皇の孫が筑紫の鎮守になった際、天皇をお祀りしたのが始まりとされる宮崎神宮。お社はとても広大
 で、市街地にありながら1歩入るとそこはもう森の中。辺りは和らぎに満ちていますが、それでいてどこか粛々
 とした雰囲気が漂っています。
  玉砂利を踏みしめながら重厚な社殿の前に進み、拝礼。旅の安全とお導きを祈願します。早朝のためか、
 拍手が一際大きく響いて、気の引き締まる思いがしました。

宮崎神宮の社殿。重厚な佇まいに思わず身を正します。
  『神武天皇』の額が神々しい。。。
 

宮崎神宮の参道。木の香がとても清々しい。深い木々の下
  ゆっくり歩いていると、それだけで心が洗われるようです。

4.東霧島(つまきりしま)神社 (a.m 10:10着〜a.m 10:45出発)
  宮崎神宮から国道269号線を西に走り、国道221号線を経て東霧島神社へ。入口には前日訪れた霞神社
 と同様に、朱塗りの大きな鳥居が立っていました。
  案内図に従い奥へ進むと、宮崎巨樹百選にも選ばれた見事なクスの大木があり、その横にこれまた大きな
 石段が伸びていました。巨大な岩をただ積み上げたようなこの石段は『鬼岩階段』といって、鬼が一夜にして
 築いたという伝説があります。その圧倒的な迫力に一瞬ひるみましたが、別名『振り向かずの坂』。後ろを振り
 向かず願い事を唱えながら登れば願いが叶うと言います。ここはひとつ、気合を入れて登るべし!←欲深。

<大楠>

<鬼岩階段>

    東霧島神社の大クス。樹齢は1000年を越すそう。根が
    地面から露出してトンネルのようになってます。
    大楠の脇に伸びる鬼岩階段。その昔、修験者達は一心
    に念仏を唱えながら登ったそうです。
  登った先には神門があり、くぐると古社が静かに佇んでいま
 した。(画像左) 主祭神は国生み・神生みの神である伊邪那岐
 神
(イザナキノカミ)。
  拝殿前にはろうそくとお線香が供えられていて、神社なのに
 お寺のよう。かつて修験道の拠点だったという東霧島神社には
 明治に廃止された神仏習合の面影が今でも色濃く残っている
 ようです。
  社殿はさほど大きくありませんが、随所に見られる龍の彫り
 物のせいか力強さが感じられます。先程の鬼岩階段といい、
 厳しい山岳信仰の一端を垣間見た気がしました。

 

 

       
        刃物で切られたような、見事な切り口の岩『神石』。
        火の神・加具土命を生んだことで妻・伊邪那美神を失った
        伊邪那岐神は、悲しみのあまり加具土命を切ってしまう―
        とは『古事記』にあるお話。切られた加具土命は3つの石と
        なり、その1つは宮崎県大島町に飛び去ったと伝えられる。
 
   
       『神龍現る』(張り紙より) 木の枝なのにホント、龍みたい!
5.霧島岑(きりしまみね)神社 (a.m 11:20着〜a.m 11:45出発)
  次は国道221号線を北に、小林方面へ。霧島岑神社をお参りします。前日の場所確認もあって難なく到着♪
 赤い鳥居脇の道を進み駐車場に車を止めると、すぐ目の前がお社なのですが、「ぜひとも参道を歩いての参拝
 をお薦めします。」というガイドに習い、ここは一旦歩いて鳥居まで戻ることに。
  戻ってみて「なるほど」と思いました。入口には2体の仁王像があり、その先には苔むした石段がなだらかに
 続いています。両側に並び立つ小高い木々が参道に影を落とし、なんともいい雰囲気。
  木立を抜けると視界が開け、きれいな社殿が現れました。御祭神は瓊瓊杵尊、木花咲耶姫、彦火火出見尊、
 豊玉姫、鵜草葺不合尊、玉依姫。日向三代に深い関わりをもつこちらの神社、もともとは高千穂峰の中腹に
 あったのが度重なる噴火で社殿を焼失、明治になって現在の場所(合祀された夷守神社の跡地
)に建てられた
 のだそうです。
  隅々まで掃き清められた境内はとても清浄で、静かに手を合わせているとそれだけで心身が清められるよう。
 心行くまでお参りし車に戻ろうとしたら、「遠くからおいででしょう。」 宮司さんに呼び止められました。佐賀から
 来たことを告げると「それでは御神酒を差し上げましょう。今日は朔日参り(※)ですから。」そう言って、御神酒
 とお札をくださいました。氏子でもないのにと恐縮しきりのわたし達に、宮司さんは甥御さんが佐賀にいらっしゃ
 ることや(すごい偶然!)、呼子のイカの話など気さくに話してくれました。一ノ鳥居をくぐった時、不思議と居心
 地の良い柔らかな空気を感じたのですが、それは宮司さんのお人柄そのものだったんだなぁと思いました。
  しばらくお話した後、これから霧島神宮の方に行くと伝えると「お気をつけて。」と見送ってくださいました。もう
 感謝の気持ちで胸いっぱいです。※宮司さん、その節は本当にありがとうございました。

朔日参り:ついたちまいり。毎月1日にお参りすること。過ぎた1月に感謝し、新たな1月の無事を祈ること。

<仁王像>

<拝殿>

    神社に仁王像、これも神仏習合の名残。なおこちらの
    仁王像、小林市で最も古いものだそうです。
    『平成の大造営(2005〜06年』で新しくなった拝殿。
    境内はすっきりと明るく、開放的な印象を受けます。
6.湯之元温泉 (p.m 12:15着〜p.m 1:35出発)
  霧島岑神社を後にし、この辺りでお昼にしようと思ったので
 すが、食事処が見当たらない。(爆) 「前日と同じ紀乃島館じゃ
 芸がないし・・・」 散々迷った挙句、お風呂休憩も兼ねて湯之
 元温泉へ行きました。
  昔から湯治場として知られる湯之元温泉のお湯は、浸かっ
 て良し飲んで良しの炭酸泉。お風呂はその炭酸泉(左画像奥)
 と鉱泉風呂(左画像手前)の2種類あります。もちろん源泉掛け
 流し。炭酸泉はかなり高濃度で、浸かると見る見る泡がまと
 わり着きます。この泡が毛穴の汚れを落とすそうで、湯上り後
 はお肌つるつるに。女性にうれしい美肌の湯です♪
  【お風呂データ】
   
・入浴料:大人400円 ・入浴施設:内湯、露天男女各1。サウナ有
   ・その他施設:宿泊、食事処、休憩所(¥700)

 

 

<湯之元温泉外観>

<お食事>

    ちょっと懐かしい感じのする温泉宿。こんなところで1日
    ゆったり、のんびり、お湯を満喫した〜い♪
    画像はかしわそば定食。ご飯が少し緑っぽいのは鉱泉
    で炊いているため。もっちりした食感で体にも良い。
7.狭野(さの)神社 (p.m 1:45着〜p.m 2:20出発)
  湯之元温泉から国道223号線に戻り、狭野神社へ。近くには神武天皇誕生の地と伝えられる皇子原がある
 のですが、「狭野神社」の名も主祭神・神武天皇の幼名・狭野尊に由来するのだそうです。
  一ノ鳥居から神門まで真っ直ぐ伸びる約1Kmの参道は『狭野の杉並木』と呼ばれ、国の天然記念物に指定
 されています。両脇に巨大な狭野杉が並び立つ様は圧巻。辺りに漂う空気も清々しく、聖地であることが肌身
 で感じられます。
  ようやく社殿にたどり着き、いざお参りと拝所に進み出たところ、「あれ?この雰囲気、どこかで・・・?」 実は
 狭野神社、朝に訪れた宮崎神宮の別宮で、建築様式が宮崎神宮と同じなのです。後で調べてわかったのです
 が、このお社も元々は宮崎神宮のもので、明治40年神宮建て替えの折に移されたものだとか。宮崎神宮の
 社殿が狭野杉で造られていることといい、両神社の深い繋がりが伺えます。
  さて、狭野神社は厄除開運、交通安全、長寿の神様として信仰を集めていますが、事始の神様としても有名。
 この秋新しいことにチャレンジしようと思っているかねし、しっかりお導きをお願いしました。←ホント、欲深。。。

<杉並木の参道>

<社殿>

    狭野神社の参道。中には樹齢800年を越す狭野杉も。
    昼間でも深閑として、霊験な雰囲気を漂わせています。
    宮崎神宮の別宮に当たる狭野神社。拝所(手前)、拝殿
    (中)、本殿(奥)という造りは宮崎神宮と同じ。
8.御池 (p.m 2:25着〜p.m 2:30出発)
  次に向かうのは高千穂峰の麓に鎮座する霧島東神社。国道223号線を御池手前の脇道に入るのですが、
 見落として御池まで来てしまいました。(汗) しかし御池越しに見る高千穂峰の神々しくも美しいこと。神話の
 舞台であることをつくづく感じさせる風景でした。


<霧島山系最大の火口湖・御池。周囲4Km、水深は93.5mあります。>

9.霧島東(きりしまひがし)神社 (p.m 2:40着〜p.m 3:00出発)
  少し戻り、御池縁から山へと伸びる細い道をグイグイ上りま
 す。霧島東神社は標高500mの高台にある神社。赤い大鳥居
 前の展望所からは先ほどの御池が眼下に望め、こちらもまた
 格別です。
  参道入口にある『神龍の泉』を遠くから拝して(女性の影が池に
 写ると異変が起こるそうな。怖い、怖い。。。)社殿へ進みます。木々に
 覆われた薄暗い参道に、赤い灯篭が立ち並ぶ様は一種独特
 な雰囲気が。その独特な空気も山岳信仰の名残から来ている
 のだと、社務所に置いてある護摩札を見て合点しました。
  こじんまりとしながら霧島神宮を思わせる彩色豊かなお社は
 深い緑によく映えて、まるで別空間のよう。ろうそくの灯が揺れ
 る拝殿で手を合わせると、神秘的な空気が肌身に感じられ、
 厳かな気持ちになりました。
10.霧島神宮 (p.m 3:25着〜p.m 4:05出発)
  霧島六社権現巡拝の旅を締めくくるのは、南九州最大の神社・霧島神宮です。国道223号線に戻り西へ。
 霧島神宮を訪れるのはこれで2度目ですが、こうして六社権現を巡拝した後に拝礼するとなんだか感慨深い
 ものが・・・
  朱色の壮麗な社殿には天孫・瓊瓊杵尊をはじめ、その奥方(木花咲耶姫)と御子神・6柱の神様(皇神六柱
 /スメガミロクハシラというらしい)が祀られています。この日出会った人や風景を思い浮かべながら手を合わ
 せ、無事参拝できたことを感謝しました。
       
          霧島神宮の社殿。元々は高千穂峰と御鉢との鞍部に
           ありましたが、噴火で焼失。再建を繰り返し、現在の
           位置に建てられました。
 
                 御神木。樹齢約800年、樹高35mの巨木です。
 
11.本日のお宿・ホテル霧島キャッスル (p.m 4:30着)
  念願だった霧島六社権現の巡拝が叶い、ほっと一息。お宿
 に向かいます。この日のお宿は霧島温泉郷にある『ホテル霧
 島キャッスル』。温泉天国を満喫するゾー!
  部屋で荷物を解くと早速お風呂へ。露天風呂は小さめながら
 雑木林に囲まれてナチュラル感たっぷり。(画像左) 傍らに愛嬌
 のある石像を見つけ、近付いてみるとそれは『田の神さぁ』。
 宮崎に伝わる田んぼの神様です。以前TVで知り、そのユーモ
 ラスなお姿を1度見てみたいと思っていたのですが、まさかこん
 な所でお会いできるとは。(笑)・・・あれ?でもここは鹿児島だよな?
  夕食を食べて今度は内湯へ。ガラス張りの浴室に観葉植物
 と、まるで温室みたいなお風呂です。だだっ広い浴槽には青み
 がかった白濁湯が満面と湛えられ、いやはや霧島の温泉力っ
 てすごいな。ゆったり浸かって、旅の疲れも癒されました。
 
< 2日目おさらい >

今回のドライブルートはこちら。↓ ※かねしお手製の簡略Mapです。お出かけの際はちゃんとした地図でご確認下さい。


   ・ 宮崎県庁舎は街路樹100選にも選ばれた『楠並木通り』に。レンガ調のレトロな建物が目を引きます。
 
   ・ 宮崎神宮は宮崎市内にあります。国道10号線入口にある大鳥居が目印。
 
   ・ 東霧島神社は都城市高崎町。国道221号線から都城盆地朝霧ロードへ、県道42号線を横切り農道(?)を真っ直ぐ。
 
   ・ 霧島岑神社は小林市に。前ページでご紹介した紀乃島館の近くです。
 
   ・ 狭野神社と東霧島神社は高原町に。御池、または皇子原を目指すと行きやすいです。
 
   ・ ぶわぶわの炭酸泉がたまらない『湯之元温泉』のHPはこちら
 
   ・ 『ホテル霧島キャッスル』はシーズン毎にお得な宿泊プランがあります。HPはこちら
 

*1日目へ*  *3日目へ*

Home